年齢による住まいの変化

年齢による住まいの変化 昔は、一つの世帯に祖父母と若夫婦、それに子供たちが一緒に住んでいる家庭が沢山ありました。現代でも、地方の田舎に行けば、こうした家庭が少なくありません。特に農業を家業にしている家庭や、個人商店を営んでいる家庭は、大抵が家族でこうした家業を共同で行っているため、一緒に住んでいるケースが多いのです。こうした家庭は、住まい自身が家業に相応しい作りになっているものです。例えば、昔の農家は、囲炉裏を中心にして、全家族がそこに集まることが出来るようになっていました。台所も広く、土間には大きなかまどがあり、複数の女性たちが料理が出来る体制になっていました。

こうして見ると、現代のような核家族が大多数になった時代の住まいとの違いは明らかです。現代の都会のマンション一つを見ても、近代的とはいえ、こじんまりとしたキッチン、狭いトイレやバス、個室の数からリビングの広さまで、ほとんどが核家族に相応しいように作られているのです。しかもこうしたマンションに住んでいるのは、大部分は働き盛りから、より若い世代が中心です。一方時代の移り変わりに拘わらず、同時代でも年齢層によって住み替えするという事情もあります。子供が小さい時は、一般的なマンションに住んでも、子供が成長した後、また老後はもっとその年齢に相応しい住まいを探すなど、昔のように、産まれた家で一生を過ごすことは少なくなっていると言えるでしょう。